竹内薫VS丸山篤史トークショーに行って来ました

竹内薫先生と丸山篤史先生の共著『99.996%はスルー』(講談社ブルーバックス)の販促イベントとして、今日、八重洲ブックセンターにてお二人のトークショーが行われました。

タイトルは「情報をスルーする技術、されない技術」です。

その内容をここに書きたいのですが、トークショーは漫才風に行われ、ノートが取りにくかったので、あまり詳しく書くことは出来ません。

 

まず、講談社のブルーバックスご担当者の挨拶で、編集部の方々が「99.996%はスルー」という内容の本の執筆を勧めた経緯を話し、お二人が登場しました。

竹内薫先生はキャノンの大きなカメラを持ち、丸山篤史先生は机の上にVAIOのノートパソコンを広げて(当然プロジェクターにつないで)着席しました。

 

竹内薫先生は昔、データサイエンティストというお仕事をなさっていて、広告会社の依頼によりプログラムを書いていたとのこと。そのとき学んだことが、「スリーヒット理論」というもので、これは、広告は、受け手がその広告に3回接すると、受け手に対し購買意欲を掻き立てるというものです。

例えば、チューリングの映画「イミテーション・ゲーム」では、まず広告を見てワンヒット、主演が「シャーロック」の俳優だという知見を得てツーヒット、最後に竹内先生のチューリング漫画が講談社ブルーバックスから出てスリーヒット、という具合です。

竹内薫先生のおじ様(叔父 or 伯父)はコピーライターだったそうで、コピーの大きな字のヘッドラインよりも、その下の小さな文字のボディコピーを熱心に書いていらしたそうですが、広告の読み手が大きな字のヘッドラインだけを見て、小さな字のボディコピーはスルーして読んでいないことを知ってショックを受けたとのことです。

かと言って、コピー全部を同じ大きさの字で書くのは拙く、丸山篤史先生によれば、文字の大きさを変えた方が効果があるそうです。

最近の広告では、大きな文字でヘッドラインを書いた後、「続きはWebで」と書いてあるものが多くなっており、興味のある人を惹きつける広告になっているとのことです。

 

ここで、話題は急に竹内薫先生の持って来たカメラに移りました。

竹内先生は普段はニコンのカメラを使っているのですが、今回はキャノンのカメラを買ったとのことです。

そのカメラで野鳥を撮影しに行くのですが、野鳥を発見するのはいつも竹内先生ではなく、竹内先生の奥さんと娘さんだそうです。(ここで会場の後ろの席に座っていた竹内先生の娘さんを紹介)

なぜ自分は野鳥をスルーしてしまうのかと竹内先生が丸山先生に問いかけたら、探し方の問題、風景をスキャンしすぎとのことでした。

竹内先生が最近、人工知能の専門家と会話したとき、人工知能では顔認識はおろか瞳認識まで出来るのに、鳥認識のカメラは出来ないのかと訊くと、比較的簡単に出来るそうですが、「鳥認識のカメラはニーズが少ない」と言われてしまったそうです。

竹内先生が鳥の図鑑をスキャンさせて認識させれば良いのでは、と言うと、丸山先生は鳥の平面図ではなく鳥の3D像を認識させる必要がある、と述べました。

 

ここで、丸山先生がパソコンで、ドレスを来た女性の写真を見せ、その女性の着ているドレスが「白地に金」の模様に見えるか、「青地に黒」の模様に見えるかはっきり判別出来ないことを示しました。(実際は青地に黒の模様でした)

丸山先生が言うには、人間の目は実物をその通りに見ているのでは無く、周辺の色で調節して見ているとのことでした。

丸山先生が次に、上部がグレイで下部が白の画像をしめし、実際はグレイと白ではなく同じ色であることを示しました。

人は「こう見えるはずだ」という学習をしていて、これをヒューリスティックと呼ぶとのことでした。

また、DV問題のキャンペーンの写真を見せて、“WHY IS IT SO HARD TO SEE BKACK AND BLUE”と示して、なぜ人は女性の青あざが見えないのかと問いかけました。

 

丸山先生が全国の視聴率の分布を示し、大阪が視聴率が高く、東京や愛知が低いことをしめしたところ、竹内先生が、「東京では街で話しかけられることは無いが、大阪では話しかけられることが多い。」と証言していました。

因みに丸山先生はテレビをお持ちでないとのことでした。

 

竹内先生が述べていましたが、NHK Eテレの「サイエンスZERO」は視聴率が低く、通常1%台で、3%に達したらすごい!と言われるとのことでした。しかし、NHKでは、「タイムシフト試聴率」を重視しているそうです。これは従来の視聴率は番組を実際にリアルタイム(生)で見ている人だけを対象にしていたのですが、タイムシフト試聴率では、録画して再生した人も対象に入れているとのことです。

またNHKでは、番組の視聴者に、「次もまた観たいですか」というアンケートをとり、参考にしているので、必ずしも視聴率が低い番組を止めたりしないとのことです。

 

ここで告知があって、「サイエンスZERO」は今まで、竹内薫先生と江崎史恵アナウンサーと女優の南沢奈央さんの3人でやっていたのが、4月から江崎アナウンサーが降板し、竹内先生が江崎アナウンサーの代わりを務めるとのことです。今までとはやり方が違うので竹内先生は戸惑っている様子でした。

 

世論調査は盲信してはならず、新聞、Web等の違うソースからの情報を見て、反対意見もインプットすることが大切だとお二人は仰っていました。

竹内先生は情報源として、ツイッターが良いと言っていました。その理由は、ツイッターの利用者は政治的に反対の意見の人を意外とフォローするとのことでした。(因みに丸山先生はFacebookはしているけれど、ツイッターはしていないとのことでした。)

 

最後に質疑応答があり、私は、「本がスルーされないために、出版社のブランドを利用することはあるか。例えば、講談社ブルーバックスという有名ブランドは役に立っているか。」という趣旨の質問をしました。

それに対して竹内先生が、ブルーバックスは52年の歴史があり、校正が緻密なので信頼され、そのブランドは役にたっているとお答えになりました。

 

人工知能についての質問があり、竹内先生は、去年、人工知能と棋士との将棋戦で、人工知能が将棋の新しい定石を作ったこと、星新一風の小説を書く人工知能が研究されていることなどを挙げました。

東京オリンピックの開かれる2020年にはスマホで翻訳が出来るようにしたいとの計画があるそうですが、人工知能はあと10年くらいで、理解をした上での翻訳が出来るようになるだろうとのことでした。

 

以上のような話がなされていましたが、ここに書ききれない面白い話題もありました。

 

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