竹内薫先生の講演を聴いて

2014520()に東京の八重洲ブックセンターの8階ギャラリーにて、サイエンス作家の竹内薫先生の講演会がありました。

これは、竹内薫著『数学×思考=ざっくりと いかにして問題をとくか』の刊行記念の販促イベントでした。

以下に講演内容をざっくりと説明します。

 

講演のタイトルは、『集められたデータの本質を見抜いてみよう 統計的手法でざっくりと』でした。これは上記の本の第7章のタイトルから取ったものです。

 

竹内先生は鳥の写真を撮るときの服装で現れました。声が少し枯れていました。

参考資料として、次の2冊の本を持って来ていました。講演で使ったスライドもこれらの本からコピーしたものらしかったです。

(1)「統計でウソをつく法」ダレル・ハフ著 講談社ブルーバックス

(2)「統計の9割はウソ」竹内薫著 徳間書店

まず、グラフのウソを見破る方法を説明していただきました。

グラフは縦軸と横軸を切り取ることによって、見栄えの印象ががらりと変わるということです。これは上記の「統計でウソをつく法」に図が載っています。

グラフを見るときには、軸の目盛りをよく見て信頼出来るものかどうか判断しなければなりません。縦軸・横軸の全体が載っているか、一部だけを切り取っているかを注意しなければなりません。

 

また、「収入が2倍」ということを表すのに、お金の袋の絵で表すとき、1つの袋と2つの袋を描いて比較するのは信頼出来ますが、片方のお金の袋の高さを2倍にして比較すると、体積が8倍になってしまい、印象がまるで違ってしまいます。これは広告宣伝でよく使われる手法だそうです。

こういう場合でも、「高さを2倍にしています。」という情報は必ず書かれているそうですが、いつも小さな字で書かれているので見落とされがちだそうです。

広告で小さな字で書いてある情報は広告主が見て欲しくない情報です。それを読んで理解出来なければ買わない方が良いとのことでした。

 

統計を見るときに注意しなければならないのは、

 1.誰がそう言っているのか

 2.どういう方法で分かったのか

 3.足りないデータはないか

 4.言っていることが違っていやしないか

 5.意味があるかしら?

の5点ということです。

 

応用例1として;

 「レーシックは危険なのか」

結論を言えば、ちゃんとした眼科専門医なら安全だそうです。ただ、眼科専門医でなくてもレーシック手術は出来るので、そういう信頼に欠ける医師にかかると安全でないかもしれないとのことでした。

201312月に消費者庁が「レーシック手術を受けた人の四割が不具合を訴えている。」と発表したため、日本でレーシック手術を受ける人が年間40万人から20万人に減ったそうです。しかし、この調査は信頼出来ないものだそうです。

竹内薫先生が消費者庁消費者安全課長の方とお話したところでは、この調査はインターネットによるアンケートでレーシックを受けたと自己申告をした人600人が返答したもので、実際にレーシックを受けた人の中から選んでアンケートを取った訳ではないそうです。アンケートに答えた600人が実際にレーシック手術を受けたかどうかは分からないとのことです。

また調査方法がインターネット調査である点も問題とのこと。インターネットは匿名でウソをつく人がいるのが特徴であるとのことです。

アメリカでは軍がレーシック手術を奨励しているそうです。なぜならコンタクトレンズを使っている人は戦争が出来ないからです。

 

応用例2として;

 「視聴率調査の誤差」

テレビの視聴率は関東地区では600世帯を対象に調べていますが、その誤差をざっくり計算すると、

 √60010624.494897

 24.494897÷6000.04082

つまり誤差はざっくり4%もあるとのことです。

視聴率が1%増えたか減ったかで大騒ぎするのは馬鹿げているようです。

ちなみに、誤差をざっくりと調べるのには、上記の計算のように平方根をとってみると良いそうです。

 

応用例3として;

 「プロットに直線を引く」

下記のような図に直線を引くとき、

一般には最小二乗法を使いますが、広告などでは手で引いている場合があるので注意が必要とのことです。手で引いた場合、傾きなどが変えられますので印象が変わってしまいます。

2つの商品の重さを測る時、下記の2つの方法のうち、より正確な測り方は「②同時に測る」だそうです。なぜなら、①では1回しか測っていないのに対し、②では2回測っているからです。

また、平均値というのも信頼出来ないそうです。

平均所得や平均貯蓄などは、下図のように、「恐竜の頭」が低い値の方にあり、高い値の方にロングテールの形に分布をしているので、平均値の人が必ずしも最頻値の人たちとは限らないのです。

講演の内容は大体以上のようなものでした。

質疑応答で、私は「フェルミ推定」という言葉は本当に最近出来た言葉なのか質問しましたが、竹内先生によると、以前は「オーダー」という言葉を使っていたとのことでした。

 

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コメント: 1
  • #1

    lasiklove (土曜日, 21 6月 2014 17:37)

    kishilibro様。ブログ記事の一部を引用させてもらいました。竹内薫さんはレーシック手術の医療被害者に対して、業者から金をもらってウソをついている嘘つき難民と誹謗中傷をしています。
    http://togetter.com/li/600539
    http://www.optnet.org/syujyututaisaku/takeuti.html
    彼の言っていることはウソ話ばかりなのであまり信頼しない方がよろしいかと思います。