2012年12月23日(日)に、東京大学にて行われたIPS勉強会に出席して来ました。
IPSといっても、前日に同じ東京大学で行われた『IPS全国研修会』とは違います。そちらは、Individual Placement and Supportの方でしたが、12月23日の勉強会は、Intentional Peer Support(意図的なピアサポート)の方です。
1.チェックイン
今日の出席者は14名と、前回よりずっと多かったです。滋賀県から来たという人もいました。
チェックイン項目は、
・「呼んで欲しい名前とこの勉強会に期待すること」
および、
・「今日この部屋に入ったときにどんなことを思いましたか?」
ということでした。以下のような意見が出ました。
・何か新しいものの見方を持ち帰りたい。そんな考え方があったのかというアイデアを得られると良い。
・自動ドアが開いているな、部屋の電気が点いていないので迷わず点けた。黒板が消されているので昨日のIPS全国研修会で使ったのかな、何が書いていたのかな、と思った。何かいたずら書きをしたいなと思った。
・ああそうだったんだと思えることに気づきたい。
・すでに1人入っていたので驚いた。電気も点いていた。
・相手との関係が対等になるとはどういうことか。
・先月より人が多いな、と思った。
・新たな視点を貰って、自分の気付きにしたい。
・久しぶりなので緊張している。
・初めて参加なので雰囲気を知り、気付きを得たい。
・名札がたくさんあるなとおもった。
・IPSをよく分かっていないので知りたい。
・気楽に来たので得に無い。
・忙しくてここに来れたのが良い。ここに来ると良いことがある。
・肉まんを買って来たので、はやく食べたい。空腹でも満腹でも、お腹に意識があると気分が良い。
・思い込みが多いことを認識したい。他の人の思い込みを知りたい。
・和んでいるなと思った。
・年末で、この一年のことでいっぱいいっぱいなので、自分がどうなっているのかを見つめなおしたい。
・
・居心地よく過ごせて、プラスアルファがあると良い。
・この部屋に今年お世話になっているので、また戻ってきたな、と思った。
・普段自分を振り返ることがないので、しんどくなく振り返りたい
・人がたくさんいて怖いな。
・IPSに興味がある人と交流したい。
・予想通り。
・いろんなことを知りたい。
・
・新しい自分が知りたい。
・遅刻してしまったな。
2.11月の内容についての振り返り。
これについては、少ししか触れませんでした。
3.テキストの『病名に関する会話』の文章を読んで、どう思いましたか?
以下のような意見が出ました。
・他人との会話の中で「病名」なんですか、と聞くこと?
・病気のレンズで人をみない。
・統合失調症に対するイメージが悪い。病気じゃない私を見てくれるのは癒される。病名にたいする偏見に悩んでいた。
・病名を言われる前は、仕事が出来ないことについて、周囲に詰られていたが、病名を言われたときから、周囲が私に優しくなったので、病名を言われた事はありがたかった。
・母が孫の病気を認めないこと。
会社の部長が発達障害のテストを部下にしてみたら、7割が発達障害だった。
・うつにかかって退職。病名が自分の助けになる。
・病名を聞いて癒される人と、病気のレンズで見ないで欲しい人に分かれているようだ。
・自分は、1分前と意見が違うことがある。
病名のレンズで見ないというのは、役に立つ。
病気はある、と教わったのだが、今は病名のレンズで見ないのが大切と思う。
病気の視線で見ると、みんな病気になる。
病名で見ると人を縛ることになる。
・認知症の勉強会で最初は辛かった。読んでいた本で、人のストレングスに注目しましょう、という見方を見出した。
・症状で語るべきで、病名で語るべきでない。
・「症状」を別の言葉で言い換えるとどうなります?
・「きつねつき」状態、だと思います。
・べてるの言い方では、「お客さん」だ。
・病名で行動を縛られることがある。
・階段を歩くときに息をしていないことに気付いた。
・病名を何に使っているかを聞くと、サポートしやすい。
例えば、病名が免罪符になるから使っていますとか。
・自分の都合の良いように病名を使ってよい。
・自分の症状に会った病名が6つぐらいあって、「うつ」を選んだ。
障害年金用には「広汎性発達障害」を使っている。
・病名を個性として話せれば、良い世の中になる。
・家族に病名を伝えてあるが、症状を伝えても理解してもらえない。うつという言葉は使わない。薬飲んでいるところを人に見せない。
病名はパワー。使っていいときと良くないときがある。
・病気で片付けるのは乱暴。
4.ピアとは何かについて
2010年のIPS勉強会@市川市でのアジェンダ資料(上記写真)を読んで、ピアとは何かについて話し合いました。
以下のような意見が出ました。
・上司が「ピアは誰でもピアなんだ」と言った。
・「どちらもが影響を受ける」と書いてあるが、自分の話の方がそこらへんの話では聞けないだろう。
・より過酷な経験をした方が偉いという気持ちがあったが、それはピアではない。経験に序列がついてしまうことがある。それはピアではない。
・「力関係の力動に注意」というのが分からない。
・近すぎず、離れすぎずということ。
私の指摘:「ヤマアラシのジレンマ」ということか?
・ジレンマがあるからもやもやが生まれる。
・IPSというものが分かる気がする。上下関係が無いのがユニーク。
・職員と利用者は上下関係だが、IPSを学んだ職員はピアな関係。
・看護教員で、患者の看護背景をきくのが当然と考える人がいる。
・スタッフに最近セックスで射精出来ないと言ったのだから、あなたも同じことについて言ってくれ、と言おう。
・答えられないことは答えなくても良いと言えれば良い。
役に立つことをしなければ、存在価値がない。
・試行錯誤している仲間がピア。
・医者が前の人に時間がかかったと言ってくれる。
・産業カウンセラーを目指しているのだが、他の療法に比べてピア・サポートが効果的な人とはどういう人なのか知りたい。
・家族療法、二人で話し合うこととピア・サポートとの違いは、上下ではなく、ピアな視線で接すること。
ピア・サポートとは病気の者同士という先入観があったが、誰でもピアになれる。
「ピア・サポート」という療法があるわけではない。
・ピア・カウンセリングに出たことがあるが、全然参加出来た感じがしなかった。IPSは自分の立場を取っ払って参加できる。
・カウンセリングを受けたが、傾聴しているので喋れない。よけい悪化した。
・自分もカウンセリングを受けたら、傾聴の壁があった。
私の出した疑問:皆さんは、病気を治したくてここに来ているのですか?
皆:「そうです。」
5.勉強会の感想 と 今後の勉強会について
以下のような感想が出ました。
・緊張せずに説得力のある話し方が出来るようになりたい。
・自分のメモに「同じ人間なんだ」と書いてある。深い言葉を習ったと思う。
・いろんな人のいろんな考えを聞けてよかった。
・2010年のIPS勉強会@市川市のアジェンダ資料が良かった。
・ピアでも上下関係や役割はあるだろう。ピアと医者等との会話が相対するものという見方も違う気がする。ピアを忘れると腐っていく。
・エアロビクスを休んで来て良かった。運動は精神に良いが、今回の会も精神に良かった。
・前に来た時とメンバーは変わっているが、雰囲気は変わっていない。
今後の予定について
1~3月にIPSの集中トレーニングがある。
この勉強会を2ヶ月ほど休みにする。
「お題を考える会」を2月ごろにする予定。
以上が、今回の勉強会の記録です。
勉強会の後、懇親会が開かれたようですが、私は欠席して帰宅しました。
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