2012年
6月
19日
火
今日はおもしろい科学記事を紹介したい。
下記の写真は、雑誌『科学朝日』の1951年4月号の62ページから64ページまでの記事である。この記事を書いたのは、東京大学工学部機械学科の西脇仁一(にしわき・にいち)という人です。私は国会図書館でこの記事を発見してコピーして来ました。
簡単に言えば、この記事には、ロケットで月まで行くのは不可能だという予言が書かれているのである。
西脇仁一氏によると、地球から月へ行って、再び地球に戻って来たときのロケットの質量を仮に1トンとすれば、そのロケットが地球を出発するときの質量は20億トンである必要があるそうなのである。故に月旅行は絶対に不可能であると結論付けているのだ。
言うまでも無く、1969年7月にアポロ11号が月への往復を果たしているのだから、西脇氏の予言は間違いである。
1951年当時はこのように、月へ行くというのは絶対不可能と考えるのが常識的な見解だったのだろう。その常識は東京大学の先生が初歩的な計算を間違えるほど強かったのだろう。
1951年の常識が1969年に覆されたように、現在の常識も、20年後には覆っているかもしれない。アインシュタインが言ったように、常識とは時間の関数であり、時代とともに常識は変わるのだろう。
2012年
5月
02日
水
高名な物理学者の外村彰氏が今日死去しました。
外村彰氏は東京大学卒業後、ずっと日立製作所中央研究所にて研究を行い、「アハラノフ・ボーム効果」を証明してノーベル物理学賞候補と言われて来ました。
今から20年以上前、私がまだ20代だったときに、日立製作所の社長が、外村氏がきっとノーベル賞を受賞するだろうと語っていたのを聞いたことがあります。
数年前、仁科記念賞に関するイベントを私は聴講しに行きましたが、外村氏もゲストに招かれていました。
私はそのとき、外村氏のすぐ後ろの席に座ったのを覚えています。あのとき、外村氏に話しかける機会があったら良かったのにと、今にしてみれば悔みます。
まことに惜しい人をなくしました。ノーベル賞候補の日本人が一人減りました。
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2012年
4月
27日
金
私の好きな詩を、四つほど載せてみます。
Nature and Nature's Laws lay hid in Night.
God said, Let Newton be! and All was Light.
(Alexander Pope)
It did not last ; the Devil howling,
'Ho, Let Einstein be,' restored the status quo.
(John Collings Squire)
God again said,
'Let Hawking be!', light came from the black hole.
(Isaac Asimov)
God rolled his dice, to Einstein's great dismay:
'Let Feynman Be!' and all was clear as day.
(Jagdish Mehra)
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